実は怖い、プロテーゼ
プロテーゼは人口的なシリコンで、鼻やアゴに挿入することで簡単に凸を作ることが出来ます。
見た目に即効性のあるプロテーゼですが、術後の合併症も多いのが事実です。
プロテーゼが皮膚を突き破る
もともと鼻先(鼻尖部)やアゴ先は皮膚が薄く、血流が通いにくい部分です。
まず、シリコンという異物で引き延ばされることによって、皮膚が薄くなります。
皮膚が薄くなると、プロテーゼ自体の形がはっきりと出てきたり、皮膚の下にある血管が透けて赤くなってきたりします。
放置すると最悪の場合、皮膚が黒く壊死してしまい、皮膚を突き破ってプロテーゼが露出してしまいます。
ブタ鼻・コアラ鼻
鼻プロテーゼ(特にL型)を挿入した患者様のトラブルで最も多いのが、数か月たってから「鼻先が上がってしまう(アップノーズ)」ことです。
シリコンが骨膜下の隙間にきちんろ入っていないか、入っていても固定されていないことが原因となります。
鼻先が本来の位置より頭側にずれてしまい、ブタやコアラのような見た目のお鼻になってしまいます。
本人は気づきにくい、微妙なズレ
本人は毎日鏡で見ているので気づきにくいですが、プロテーゼがずれることによってお鼻やアゴが曲がってしまうことがあります。
プロテーゼを挿入する骨膜下の隙間にもともと左右差があったり、きちんと中心を確かめずに挿入したり、また固定されてないうちにぶつけたりすることが原因となります。
また、鼻プロテーゼの場合は、右の鼻の穴から挿入すると鼻の付け根では左よりに、左の鼻の穴から挿入すると鼻の付け根では右よりになりやすいです。
プロテーゼの石灰化
術後10年以上経過すると、プロテーゼの表面に石灰(カルシウム)の沈着が目立つようになります。
※長い経過でだんだん大きくなる、鍾乳洞をイメージしていただくと分かりやすいです。
通常はそのままでも問題はありませんが、皮膚が薄くなっている場合は、硬く触れたり、表面にデコボコを感じたりします。
ひどい場合ですと、プロテーゼの位置がずれてきたり、異物感や、しめつけられるような感じがすることもあります。
当院のプロテーゼ除去はここが違う
抜去専門
当院では、上記の危険性からプロテーゼを推奨しておりません。
したがって抜去後の入れ替えは行いません。
シリコンが大きく厚いほどトラブルもおきやすくなりますので、悪い状況になる前に、ぜひプロテーゼの除去を考えてください。
他院で挿入された患者様も、もちろん受け付けております。
傷跡が分からない
プロテーゼを挿入した時と同じように、鼻の穴の中や、口の中の軟膜からアプローチして抜去します。
したがって、お顔の表面に新しく傷が増えることはありません。
皮膚に吸収される糸を使って縫うので、抜糸のために来院する必要もありません。
きちんと元に戻ります
プロテーゼは挿入すると、体内で「カプセル」と呼ばれる膜に覆われ、これによって固定されます。
プロテーゼやカプセルを除去しても、お顔の見た目は(何か別の手術をしていなければ)元の状態にほとんど戻ります。
お鼻やアゴがへこんでしまったりすることはないので、安心してください。
治療について
治療手順
- 鼻に局所麻酔薬を注射します。
- 鼻の穴の内側(通常は右側)を10mmほど切開します。
- プロテーゼを除去(抜去)します。
- からだに吸収される糸で縫合します。
- 傷に軟膏を塗って、終了です。
治療時間
30分~1時間
治療後の注意点
1週間程度は安静にしていてください。
入浴は当日から可能ですが、あまり温まらないようにしてください。
費用について
98,000円(税込)